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はじめてのドローン夜間飛行訓練 実際に飛んでみてわかった安全対策とは

2018/06/07

航空法で定められているドローン(重量200g以上の無人航空機)の飛行規制のひとつに、「夜間飛行」があります。日没後は許可なくドローンを飛ばしてはいけないのです。

夜間飛行をするには、航空局に申請を出して承認を受ける必要があります。ただし、夜間飛行の経験がゼロだと承認を得ることは難しいでしょう。夜間飛行の経験を積もうにも、夜間飛行の許可が下りないというジレンマ。

その解決方法のひとつが「照明を落とした室内で練習すること」。夜間に近い環境で練習するというわけです。そこで今回、東京都葛飾区のドローン練習施設「DJI ARENA by JDRONE.TOKYO」で、夜間飛行訓練をしてきました!

暗い場所での飛行は安全システムが不安定になる

DJI ARENAでは毎月最終木曜日の日没後から営業終了までを「ナイトフライトデー」としています。練習場内の照明を落としてくれるので、暗い中で飛行練習ができます。

ShiftkeyのドローンはDJI社の「Phantom4 Pro」。高性能な各種センサーによって安定して飛行できる機種として定評があります。

しかし暗闇になると、画像を認識するビジョンセンサーの効果が弱まるので、機体制御の精度が落ちます。GPSやビジョンポジショニングシステムなどすべての安全システムを使うモードでも、明るい場所に比べて明らかに不安定です。さらに屋根や壁のある室内のため、GPSの受信感度も悪くなります。

そうなると、ホバリング(空中で静止)してくれません。そのため、意図しない方へ流されないよう、常に微妙なコントロールが必要になります。初心者にはおすすめできない、かなり過酷な状況ですね。

1番大きいリスクは「周囲の障害物が見えない」こと

DJI ARENAは練習エリアをネットで仕切っていますが、暗くなるとほぼ見えなくなります。そのため、常に衝突のリスクと隣り合わせです。この「周囲の様子が見えない」ことが、夜間飛行における最大のリスクと感じました。 「あのあたりにネットがあるな」「もう少しで接触するな」というように、ドローンと障害物の距離感を常に正確にイメージしながら飛ばすことになります。LED灯で機体の位置と向きはわかるものの、周囲を照らしてくれるほど明るくありません。

室内の照明を落とした状況での飛行動画。ご覧の通りの真っ暗闇です。

夜間飛行の安全対策はAモードでの飛行練習と入念なロケハン

日没後であっても屋外なら、GPSの効果は期待できるでしょう。しかし、ドローンのビジョンセンサーは効果が下がるため、やはり姿勢制御が不安定になります。日頃からGPSやビジョンセンサーに頼らない「Aモード」で操縦練習を重ねておけば、姿勢制御が不安定な状況でも対応できるようになります。

しかし、障害物回避機能には期待できず、周囲の状況も見えないので、いっそう慎重な操縦が求められます。そのため実際に夜間飛行をする場合は、不安定な状況でも正確に操縦する技術に加えて、衝突しないために限りなく正確なロケハンと飛行ルートの策定が必須だと感じました。

暗闇を飛ぶドローンを、デジカメの長時間露光で撮影してみました。LED灯でShiftkeyの「S」の字を描くことに成功!

この記事の著者

島田 喜樹(しまだ よしき)

Locomedian 編集・ライター/株式会社shiftkey プランナー・ディレクター/DJIスペシャリスト

埼玉県富士見市出身。高校まで地元だったけど勢いで札幌の大学に進学し、卒業後は埼玉にUターン。そのせいか会社の人からは盆や正月のたびに「札幌に帰るの?」と聞かれ、「地元は埼玉です」と訂正すること数えきれず。Shiftkeyのドローン担当。


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