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移住者もサテライトオフィスも安心な、コンパクトな町の手厚いサポート

2018/08/15

「真鶴出版」のインタビューに続くこのOutside編では、”真鶴町サテライトオフィス誘致コンシェルジュ”の河野篤史さん、そして真鶴町の移住体験施設に滞在中の河崎佑太さんにお話を伺いました。

実はこのお二人への取材、当初から予定したものではなかったんです。真鶴出版でのインタビュー中、偶然お二人が立ち寄られたので話を聞いてみたところ、最近真鶴に移住してきた(もしくは検討中)というプロフィールが判明! ちょうど「移住」を1つのテーマとしてインタビュー中だったこともあり、急遽取材をお願いしたところ突然にもかかわらず快諾してくださいました。
インタビュー場所は、駅から徒歩7、8分のお試し暮らし移住体験施設「くらしかる真鶴」。商店街に面した土間スペースは河野さんの働く事務所になっており、住居部分では河﨑さんがまさにお試し暮らしの最中でした。

*本取材は2018年7月9日に行いました。内容は現在と異なる可能性もあります。ご了承ください。

手厚いサポートで企業のサテライトオフィスを誘致

——まずは河野さんのお仕事についてお聞かせください。

河野:私は真鶴町の非常勤職員として、「イトナミオフィス」というプロジェクト名のサテライトオフィス誘致活動に携わっています。企業さまに対する町のご案内や、サテライトオフィスに興味を持つ企業と自治体をつなぐマッチングイベントなどを介したプロモーション活動が主な仕事です。

現在の状況としては、大阪に本社を持つ株式会社ブックスタンドが3月に、「MANAZURU TECHLAB」というこの近くにある民間のコワーキングスペースにサテライトオフィスを構えて、2名の主婦を現地採用してくださいました。お二人は今のところ在宅テレワークで働いていて、研修などはサテライトオフィスで受けています。

その企業さまと初めてご挨拶したのは、サテライトオフィス設置を検討する企業と自治体をマッチングするイベントです。自治体が単独で動いて多くの企業と会うのはなかなか難しいので、このようなイベントはとても良い機会ですね。

その企業さまが真鶴町に決めてくださった理由ですが、仕事自体は在宅で可能なので立地や地域などの条件はそこまで大きくなかったかもしれません。
そのうえで真鶴町を選んでくださったのは、1つは雇用のリスクが小さいことでしょうか。真鶴には元々の地域の信頼関係がありますから、新しく来た企業さまも安心して当地の人に仕事を頼むことができます。
採用については私たちからも側面支援させていただきました。地元での調整を行い、採用ターゲットである主婦の方々に対して企業様に説明会を主催していただきました。在宅でできる仕事はこの辺りにはまだ少ないので、小さいお子さんを持つ方などから関心を持っていただけたようです。

——オフィスを構えた企業に対する、アフターサポートもあるのでしょうか?

河野:はい。見知らぬ町でのビジネスでは、まずは周りの人々との信頼関係を作る必要があります。そこで、私たちが企業さまを地元の事業者や各団体にご紹介したり、真鶴町サテライトオフィス認定制度(*)の条件を満たした企業さまには認定書を交付して、企業さまが公に活動できる環境を官民一体でサポートしています。 そういう活動や制度を通じて、町民のみなさんの受け入れも企業さまのビジネスも、よりスムーズにしたいと思っています。

(*)真鶴町内にサテライトオフィスを開設(または開設を準備)している企業・団体が、真鶴町の審査・認定を受けることによって、サテライトオフィス運営に有益な情報提供や町内関連施設利用の協力など各種サービスを受けられる制度。 真鶴町の認定を通じて企業・団体の信頼度が高まることにより、町内で活動しやすい環境を整える効果も期待されている。

こういうソフト面の手厚いサポート制度は、真鶴町では今年(2018年)から始めました。企業誘致もいろいろなアプローチが自治体ごとにあると思いますが、真鶴町の場合はせっかく来ていただけるならばこの町を好きになってビジネスをしてほしいという考えです。

——河野さんご自身も、最近真鶴に移住されたとか。

河野:今年の3月に家族で移住してきました。私は転職していまの仕事をしていますが、妻は新幹線を使いながら都内の会社に通勤し続けています。田舎の雰囲気もありながら東京からそこまで遠くないのは、真鶴の良いところですね。

くらしかる真鶴の壁に貼られている、アーティストによるマンガや、町民の顔を表現した切り絵

東京に通える範囲で海と山が近いところに移住したかったんです。それから、せっかく都会を離れるなら昔の雰囲気や街並みが残っているところが良かった。そんな条件で探していたら、範囲ギリギリのところで真鶴があったんです。 くらしかる真鶴には私も2週間泊まって、その際に通勤もできるとわかりました。最長で2週間宿泊できますから、実際の生活を送る要領がわかって便利です。費用も2万円とお得ですし(笑)

いずれは真鶴で花屋さんを開きたい

——次に、いままさに移住体験中の河崎さんにお話を伺わせてください。真鶴に来られたきっかけはなんだったのでしょうか?

河崎:僕は、今は埼玉県に住んでいます。少し前まで自宅近くの花屋さんで働いていました。以前から、地方に移住していずれは自分で花屋を開きたいと思っていたんです。

そんなときに、去年(2017年)ライフスタイル系の雑誌を読んでいて真鶴出版さんを知りました。それで去年の冬に一度日帰りで来て、良いところだと思ったんです。

くらしかる真鶴に泊まってからまだ1日ですが、昨日は真鶴出版の來住さんに町を案内してもらったんです。商店街の方々に紹介していただきましたが、真鶴はコンパクトで人の結びつきが強いところがいいですね。
移住体験をすることで、日帰りで来たときには体験できなかったことがさっそくいくつも体験できて、この町で暮らしたいという思いが一段と強くなりました。 ここに滞在する2週間で町の人とも交流しながら、花屋の仕事や物件を探す予定です。将来は真鶴で花屋さんを開きたいですね。

河野:実は去年、真鶴の大きな花屋が閉店してしまったそうなんですが、そうしたらこのタイミングで河崎さんが来てくださって……不思議な縁というか、なんというか(笑)

真鶴の良さは人のつながりを生む「コンパクトさ」

くらしかる真鶴に貼られていた、町民とアーティストによる真鶴の手作り地図

河野:真鶴はコンパクトな町なので、誰かが行動するとそれが次の別のアクションにつながりやすいと感じます。物理的な距離が近いから、対面のコミュニケーションも取りやすいです。
まさに今日も、私たちがたまたま真鶴出版さんに寄ったらshiftkeyさんとお会いして、こうやって私たちのことを話す機会を作ってもらえたわけですから(笑)。 そういうところを気に入ってくださる方にとっては、真鶴はすごく良い町です。

Locomedian View

サテライトオフィス誘致でも移住の話でも、「コンパクト」は真鶴の1つのキーワードかもしれません。コンパクトな中で育まれる人のつながりが、外にいる人や会社を惹きつける魅力になっていると感じられました。今回偶然に取材できたきっかけを、河野さんは冗談半分で「真鶴マジック」と呼んでいらっしゃいましたが、「なるほど」とうなずける言葉です。

初めて訪れた真鶴でしたが、干物や刺身はおいしく、手の届く身近なところに海も森もあり、町には穏やかな空気が流れていました。皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか。

(「真鶴岬でドローン空撮 初めての海上フライトはプレッシャー半端なかった」も公開しています。ぜひご覧ください!)

この記事の著者

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高田陸(たかだりく)

Locomedian 編集・ライター/ 株式会社shiftkey プランナー

平成3年生まれの千葉県船橋市出身。大学まで東京周辺だったが、社会人になってから地方移住を検討したこともあり、地方創生に興味がある。トレイルランニング好き。無人のダウンヒルダッシュ最高です。


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