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アンテナショップの本懐は物産品の販売のみにあらず! 「北海道どさんこプラザ」に見る地元企業とのつながりかたとは?

2017/02/03

アンテナショップのメッカ、東京・有楽町「東京交通会館」の1階という超一等地に店舗を構え、1日平均6000人もの来店客を迎え入れている北海道のアンテナショップ「北海道どさんこプラザ」。店頭の商品点数は約1200点、菓子類や水産加工品といった主力となっている品目は、月間売上の総計が優に1,000万を超えるほど、目に見える“結果”を出し続けているアンテナショップ界のリーディングランナーです。

店内を見渡すと、「〈柳月〉三方六」「〈ロイズ〉ポテトチップチョコレート」「〈松尾ジンギスカン〉ラム肉」といったお馴染みの商品はもちろん、販売1年未満に見たない商品も数多く陳列されていることに気がつきます。未来の大ヒット商品予備軍であるこれらの商品は、どのように選別されて店頭に並んでいるのでしょうか? そこにはリーディングランナーならではの選別基準があるはず。
そこで今回は、北海道どさんこプラザの商品が、人気商品になるまでのストーリーを追ってみたいと思います。

ショップと企業がWin-Winの関係を築ける「テスト販売制度」

店長の川合洋平さんにお話を聞くと、北海道どさんこプラザでは、アンテナショップ業界でも珍しい取り組みを行っていることを教えてくれました。

「新商品の多くは、北海道庁が窓口となって行っている、北海道どさんこプラザ内における『テスト販売制度』を活用したものが多いんです。この制度は、販路拡大・商品開発などに取組む道内企業が、新商品を3ヵ月間限定で、北海道どさんこプラザで販売できる(東京・札幌・名古屋の店舗が対象)というもので、売上が好調なものはさらに3ヵ月間の販売期間延長、最終的にはレギュラー商品に昇格されることもあります」(川合さん)

テスト販売の商品は、入り口からすぐの「ルーキーズステージ」と題した区画に配置され、人気ベスト3はピックアップ扱いで陳列されています
北海道どさんこプラザ店長の川合洋平さん

テスト販売後には、店側から商品の評判や評価に関するアドバイスも受けられるのが同制度の特徴。企業側にとっては、いきなり東京の一等地で販売ができるだけではなく、詳細な消費者マーケティングができるという点でも、とてもありがたい制度と言えます。

また、北海道どさんこプラザ側にとっては商品の新陳代謝やより高いクオリティの商品増強、そしてより多くの道産商品を消費者に届けるという面でメリットがあり、同制度は、店側と企業側がWin-Winの関係を築けていることもわかります。

「この制度は、全国的にも珍しいものだと思いますが、根本には『消費者の食卓に道産食品を届けたい』『北海道(企業)のためになる活動をしたい』という我々の想いがあり、それを体現・実現するために有効な手段なんです」(川合さん)

テスト販売制度への申込みは、最寄りの総合振興局又は振興局商工労働観光課、各市町村の商工会議所及び商工会への書類提出をもって行われるそうですが、この取り組みは、自治体とのつながりを整備さえすれば、北海道以外のアンテナショップでもできるものであるはず。地域活性化のために、このノウハウを新たに取り入れるのも良さそうですね。

専門家のアドバイスで、事業者が商品戦略を

催事やテスト販売を行った事業者には、店側から直接レスポンスが受けられます。催事の場合は、顧客と直に接することもできるので、事業者にとっては恰好のマーケティングとなります

ユーザーフレンドリーでありながら、企業フレンドリーでもある「テスト販売制度」。北海道どさんこプラザでは、それ以外にも、販売企業に対するフォロー制度を敷いています。代表的なのが、OUTSIDE記事で紹介した「マーケティングサポート催事制度」や、専門家に商品開発や販路拡大のアドバイスを受けられる「マーケティングアドバイザー制度」です。

「首都圏と北海道では、顧客のニーズが異なるので、ヒット商品を生み出すためには、的確なマーケティングと販売戦略が重要です。それらを考える上で、テスト販売や催事への出展は貴重な機会となりますが、そこに専門家の分析が入れば、より精密な事業計画を立てることができるはずです。アドバイザー制度は無料で行っているので、テスト販売や催事に合わせてお申込みされる事業者さんも少なくありませんね」(川合さん)

これらの制度は、事業者にとってかなり実用的なものと言えますが、まだ周知が行き届いていないのが今後の課題と川合さん。

「申込みが各地の振興局などの公共機関なのですが、実際に制度を知らずに、直接店舗側に相談がくるケースもあります。今後、これらの制度の情報が、事業者さままで確実に行き届くようになれば、より北海道が活気づいていくことになると思います」(川合さん)

Locomedian View

アンテナショップは、ただ物産品を売るだけではなく、地域情報の発信や地元企業の支援なども念頭に置いた活動をしなければならないはず。そう言った意味では、アンテナショップは地域創生のメディアとしての一役を担っているとも言えます。

北海道どさんこプラザでは、

  • テスト販売制度
  • マーケティングアドバイザー制度
  • マーケティングサポート催事制度

という3本柱で地元企業とのつながりや北海道への貢献を実現し、アンテナショップの本懐とも言える部分を補完。数多く存在するアンテナショップにおいてリーディングランナーとして業界を牽引し続けています。

また東京交通会館内には、3階に「北海道・さっぽろ観光情報プラザ『どさんこ旅サロン』」、8階に「北海道ふるさと移住定住推進センター『どさんこ交流テラス』」という、観光、移住をテーマにした施設があり、今後はこれらとの連携も視野に入れながら北海道情報の発信や送客を目指していきたいとのこと。

北海道に限らず、アンテナショップの役割は多角化してきているようですが、タテヨコの連携を強め、情報発信の質や量をあげていくことができれば、アンテナショップが、地域創生のメディアとして有力なツールになる日が来るかもしれませんね。

【取材協力】北海道どさんこプラザ有楽町店
【住所】東京都千代田区有楽町2-10-1東京交通会館1階
【TEL/FAX】03-5224-3800/03-3217-0411
【営業時間】10:00-20:00
【休業日】年中無休(年末年始除く)
【アクセス】JR山手線有楽町駅徒歩1分/東京メトロ有楽町線有楽町駅3分
【HP】https://www.dosanko-plaza.jp

この記事の著者

竹沢 大樹(たけざわ だいき)

Locomedian 広報担当/株式会社shiftkey プランナー兼マネージャー

北海道石狩市出身。札幌でフラフラした後に、東京競馬場に通うため上京。濃い顔のせいで南国出身と思われることが多いが、純血の北海道人(北海道には想像以上に濃い顔の人が多い)。好きなものは、美女と競馬と夜のネオン。


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